女忍者無情風神の門」第21話・ネタバレ有り日記(2005.6.29)[女忍者(くのいち)無情] 大坂城の堀埋めに関して、少し話が遡ります。 和議調印のあと、板倉に呼び止められる修理。人足は徳川方で用意するので、『総掘』を埋めて欲しいと持ちかける板倉。『外堀』なら…と応じる修理。修理の聞いた『総堀』とは惣堀とも称される外堀のこと…。 暮れも押し迫った堺。青子は、正月を京で過ごせる、とウキウキ帰り支度。 堺屋利兵衛、信乃には残るように言い置き、見送りと称して青子の駕篭と店を出ます。 駕篭かきに身をやつした鬼三の顔を見て、分銅屋爆破実行犯である事を思い出す信乃。(目も記憶力もイイ!) 堺屋から獅子王院に引き渡された青子の駕篭。小窓越しに獅子の顔をみとめ、驚愕の青子…。「青子を騙したのか!?」 安全なところへお連れするだけ…という獅子の言い訳も空しく、ピシャリと閉められる小窓。(獅子、内心大ショ~~~ッック!!) いずこかへ運び去られる駕篭…。物陰から見ていた信乃、菊千代に急を知らせます。 大坂の真田屋敷。居候では悪いので、そろそろ商い(遊女)に戻ろうかと言う梅が枝と桂木。元気の無い佐助を心配顔で見る才蔵。(でも、前回の大怪我はすっかり治っているように見える佐助。回復、早~~) 入道が持ち込んで来た、堺屋からの葡萄酒(治作、持参)で盛り上がろうとしていたところへ、菊千代が駆け込んで来ます。 才蔵、幸村への挨拶中の治作に、斬り掛からんばかりの勢いで詰め寄ります。 しかし、青姫の件は治作も与り知らなかった事…。堺屋の変心に薄々気が付いていたらしいものの、止められなかったことに責任を感じ、主人への説得を願い出る治作。 豊臣家に引き立てられて店が大きくなった恩を治作が訴えても、「商人は利を追及するもの」と聞き入れない堺屋。(才蔵に刃を向けられても平然とグラスを傾ける姿、妙にカッコ良かったり…) ついに治作は、主人に暇乞いを申し出ます。 青姫を手中にしたことを板倉に報告する獅子。今度こそ姫を奪われないように(名古屋での失敗、蒸し返し?)とか、俊岳に会って行くか?とか、チクチクと獅子を突つく板倉。 その後、隠居願いに参上した俊岳にも、幸村を殺せなかった事を皮肉ったりして、ダーク板倉、意地悪モード炸裂。 獅子には見限られてるし、板倉には皮肉られるし、可哀想な俊岳さま…。 しかも隠岐殿には、青姫誘拐の件、俊岳さまの指示だと思い込まれてしまっております。(獅子の勤務先変更、お国ですら知らないので) ところで、外堀どころか二の丸、三の丸の堀までみるみる埋められ、驚き慌てる修理と大蔵卿局。 板倉に違約を問う東田市之介。 堀の件は口約束だし、『総堀はすべての堀』とうそぶくダーク板倉。 修理は駿府へ直訴に向かいます。 堺屋を辞めた治作は、大坂に小さな店を出そうと準備中。 お国は、隠岐殿の申し付けで城を出、才蔵らの青姫探しを手伝います。しかし、大納言家には何も伝わっていないらしく、黒屋敷も、もぬけのから…。 波の音を聞いている青子。尋ねて来た獅子から、そこが須磨であることを知らされます。 江戸へ送るためではなく、姫の安全のためにお連れした…と言う獅子に、「偽りを申すな!」と高坏を投げ付ける青子。額が切れ血を流しながらも、(安全のため戦が終わるまでは)「どうか、私のお側に…」と言う獅子。 (妙に力のこもった、熱っぽいセリフでござりまするが、獅子どの、自分の『側』と申される場合、『お』は付けなくてもよろしいのでは??)(青子を前に舞い上がり、敬語が過剰になるのでせうな…) 年が明け、慶長20年。青子捜索に行き詰まりを感じ始めている才蔵、佐助から、駿府帰りの修理の様子が変だと聞かされます。(あれほど上下関係にきちんとしていた佐助が、『修理』と呼び捨てにしているあたりで、前回 彼に抱いた怒りが伝わります)(修理の家臣の市之介のことは、未だにちゃんと『東田さま』と言ってるのが可笑しいです) 修理は、家康に『忠臣の鑑』等おだてられ、増長して大坂に帰城、幸村や又兵衛といった牢人衆を金で追い払おうとするようなそぶりまで見せる有り様…。 ある夜、幸村の元に兄・信之(関ヶ原以来、徳川方の大名)の使者と名乗る男が尋ねて来ます。 額に傷のある、それは獅子王院…。あくまで信之からの使者を装う彼は、幸村に徳川へ就くよう勧める言葉を残して去って行きます。 後日、大坂城内で「幸村が徳川から誘いを受けているらしい」という噂をまく鬼三。(またまた、イイ仕事しています)(今話ではもう一人、『雷』?という仲間が加わっております) 噂に驚いた市之介からの問い合わせで、信之サイドに確認の使者を送る小助。 獅子、大坂城内天井裏から、回廊を歩く修理に手裏剣を投げます。(『しゅり』に『しゅりけん』…と、獅子が思うたかどうかは謎)腕をかすめただけですが、大ショックの修理。その手裏剣を見て、すかさず、甲賀者が使うタイプのものだと指摘する鬼三。(通りすがりの手裏剣鑑定人) 甲賀者、すなわちそれを使う幸村の刺客…。青木民部(豊臣家重臣だが、家康の息がかかっている)は、疑心暗鬼の修理に、幸村を討てとそそのかします。 その場に居合わせた市之介は幸村を擁護。諫言が過ぎ、最近の修理は家康に惑わされているとまで言ってしまう市之介。逆ギレした修理は、市之介を牢に押し込めようとします。 言葉ではもはや修理を動かせないと覚悟した市之介、庭に飛び出し壮絶な切腹。 市之介の諫死によって、幸村を疑った件は反省したらしい修理ですが、有能な忠臣を失ってしまった打撃は、大野家にとって計り知れないものがあります…。 信之からの返答で、先日の使者が偽者であることが判明。そして、鬼三らと話す獅子王院を見かけたお国、獅子の額の傷を見て、才蔵に知らせます。 一連の陰謀が獅子のしわざ、すなわち俊岳の差し金だと思い込む才蔵。 隠岐殿も改めて俊岳成敗を命じ、お国の苦悩は高まります。 俊岳が、知恩寺(俊岳の父の菩提寺)に滞在している事が判り、襲撃を決める才蔵。一緒に行こうと支度するお国ですが、出発直前に動揺のあまり動けなくなり、留まる事に…。 才蔵が去った後、彼女の脳裏には父・俊岳との思い出がさまざまによみがえります。 知恩寺。俊岳を追い詰める才蔵。獅子王院は既に自分の許を離れ、青子の所在も知らぬと言う俊岳。 問答無用で俊岳に斬り付けようとする才蔵の前に、お国が飛び出します。「父でございます!俊岳は私の父でござます!!」必死に父の命乞いをするお国。 愕然とする才蔵。「お国どの…。お国どのは、はなから間者であったか…」最近は『お国』と呼び捨てになっていたのに、また『どの』付きです。(縮まっていた距離感が、再び一気にひらいてしまったかのように感じさせる、絶妙の小ワザ) 駆け去った才蔵を追い、彼に身の上話を打ち明けるお国。 伏見落城で母を失い、その時城には居なかった父とは17年間生き別れになっていたこと…。再会した父の為にできる事は、習い覚えた忍びの技で間者になるしかなかったこと…。 けれども、才蔵や大坂方の皆と出会い触れ合ううち、楽しければ笑い、悲しければ泣く、誰にも偽ることの無い生き方に憧れ始めてしまったこと…。 そして、俊岳の命乞いは間者としてではなく、『娘』としての願いであり、(大好きな)才蔵を仇として恨みたくないからだと説明します。 これまでつらい気持ちを一人で抱えて来たお国の心情を思いやるかのように、あたたかな眼差しを向ける才蔵…。 俊岳が国許へ戻るその日。鳥居家の墓前での、父娘の別れ。「長い間、ご苦労…」お国に残すのは、短い言葉…。 去り際、才蔵に一礼する俊岳。才蔵も神妙に礼を返します。(初めて俊岳に会った時、メッチャ無礼だった事は、たぶん忘れている才蔵クン) そして、振り向かずに墓所から歩み去って行く俊岳…。 お国は、これまでの詫びに、最後まで大坂城に留まる決意であることを才蔵に告げます。彼女に、間者であったことは誰にも打ち明けないようにすすめ、「俺も、誰にも言うまい」と力強く言う才蔵。お国への、深い思いやりが伝わって参ります。 大坂城では、青木民部の陰謀で再び軍備増強、徳川家に再度の戦の口実を与えようとしております。 城内の、そんな不穏な空気とは裏腹に、すべてを吹っ切って明るい表情のお国。 足元まで埋まった堀の石垣に腰掛け、笑顔で寝そべる才蔵。 大変な情勢なんだけれども、とりあえず、笑顔! それが才蔵さまの素敵なところなんだな~と、改めて思う物語終盤でござりました。 風神の門 第壱集風神の門 第弐集 |